本社
DX推進部
M.Oさん(2012年入社)
大学では化学を専攻し、食品業界に絞って就活をしていた2011年3月に東日本大震災があり、企業の採用活動も一時中断。しばらくして再開され、最初に内定をくれたのがトオカツフーズでした。全国各地にある大手コンビニエンスストアなどから、美味しい食を届けられる仕事だと思いました。ちなみに私は食べることも作ることも好きで、料理人は諦めましたが、釣りと家庭菜園を趣味にして家族に料理をしています。
入社後は、神奈川県の山北工場に9年ほどいました。製造の生産管理部門で、加工凍結と盛り付け工程と梱包工程を担当しました。こんなに長く同じ職場にいるのは珍しく、やっと異動した先が、本社の経営企画部でした。当時は「ずっと製造にかかわってきた私がなぜ?」という驚きの気持ちでした。異動後は、月ごとの製造実績や賃金のデータをまとめる月次処理の仕事をしていました。
それから7カ月後の2022年7月、社内で新しくDX推進部を立ち上げることになり、その初期メンバーに抜てきされました。DXという言葉が流行り出していたこともあり、最先端のことに関わるワクワクした期待と、重要事業ゆえのプレッシャーがありましたね。
常務と部長、私と情報システムから来た2人の計5人でスタート。まずはデータの収集・集計方法を学んで「どんなことができるか、やってみなさい」と言われました。当時はデリカ部門の工場に生産管理システムが導入済みで、タブレット端末から入力された製造実績データが取り込まれていました。私は、そこで発生するエラー値を見つけ、入力ミスなどの原因を工場側に伝えながら、システムの仕組みなどを理解していきました。2023年には、トオカツフーズは中食業界で初となるDX認定事業者になりました。
今は、冷凍食品部門の3工場を対象にした生産管理システムの構築を行っています。その事業特性からデリカ工場とは異なる設計思想 になるので、システムサプライヤーや関係者、工場側の人たちにも協力してもらいながら進めています。具体的には、業務の現状調査から課題抽出・プロセスの見直しをしながら、業務の効率化や分析などにデータ活用していけるような仕組み作りにつなげていくというものです。
職場は、外部コンサルタントのほか、社内公募で集まったDX推進メンバー もいます。DXに興味がある人や自分の業務を改善したい人を募集し、現在3期生20人です。彼らは各部署で困っていることを洗い出し、無駄な作業の自動化やペーパーレスといった電子化などに率先して取り組んでいます。
また近隣国立大学からインターン生 を募集し、経済や統計などを専攻する学生に有償で協業してもらっています。実データを使ったプログラミングもできるのが楽しいのか、みんな長期間来てくれています。
全体的に和気あいあいとした雰囲気で、活気ある議論もしています。多趣味な人が多いという印象もあり、新しいことに興味を持つことが大事なのかもしれません。
会社全体の生産管理システムの構築という大プロジェクトを任されていること自体に、大きなやりがいを感じています。
振り返ると、私がDX推進部のメンバーになった大きな理由には、やはり製造現場での長年の経験があったからだと思います。それだけに悩ましいのが、業務フローの見直しや再設計です。会社全体としてあるべき姿や理想が求められる一方で、現場の事情や視点から考えれば難しいことも少なくありません。
プロジェクト全体の進捗管理や、サプライヤーと現場との調整役として「自分は説明が下手だな」と落ち込むこともあります。伝える難しさをかみしめながら、未経験だった資料作りにも奮闘中です。
製造部門での経験、新しいシステムの知識、運用に向けたアウトプットや現場調整力などを総動員していく今の仕事について、上司からは「総合格闘技だからね」と励まされて(?)います。現場からの声を受け止めて調整を重ね、プロジェクト全体として解決案を整理し、互いに納得できる形で合意できたときは、達成感も大きいですね。
今後は、生産管理システムの導入をスムーズに進めて、正確な生産情報を取得できる環境を整えていく予定です。これにより稼働状況や原材料の使用量、不良率などのデータが“見える化”され、必要な改善ポイントを明確にし、現場の課題を解決していけるはずです。
本格導入に向けて 、ミスや異常値がないかを即座に現場に伝え、必要な情報を必要なときに出せるようなシステム運用を実現し、現場改善に役立てることを目指します。DXが現場にどのような影響を与え、効率化や生産性向上につながっていくかを見届けていきたいですね。
今はチャレンジ精神で、自身のスキルアップに必要なステップですが、いずれは現場に戻りたいとも思っています。DX推進の仕事を経験してから改めて製造部門にかかわったときには、また違った視点で、新しい提案ができるのではないかと自分自身に期待しています。
ONEDAYSCHDULE
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